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魂の叫び~響け、届け。~

金と、銀と。

突発的に頭に浮かんだディアイザSS。

やっぱこの二人の関係が大好きだったりする。



おこりんぼツン受けと寛容なデレ攻め(笑)





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金と、銀と。





暗い空間に、チラチラとした光が見て取れた。


星々の煌めきの中にオレンジ色の閃光が大きく瞬いては・・・・・


-------消えて行く。




出撃命令が下るのも時間の問題だろう。



ヴェサリウスのスタンバイブースには“いつもの顔”が揃い、
中央のモニターに映し出された戦闘シュミレーションを
それぞれのスタイルで確認していた。


俺の右。

ソファに身体を預けるように座っているのはニコル。

耳にセットしたイヤモニに手を当て、
時折指を動かしている。
気に入りの曲でも聴いているのだろう。


左側のアスランは膝の上に肘をついて指を組み、
じっ・・・と床の一点を見つめたままかれこれ3分は微動だにしない。
見てるこっちが疲れちまうよ。
嫌だねぇ。



・・・・こんな時、

妙にリラックスした気分になる自分はおかしいだろうか?



向かいに腰掛け、
モニターを見つめる碧い瞳。

肩口できっちり切り揃えられた銀糸が揺れる度、
サラリと音が聞こえそうだ。




視線を感じてモニターから顔を上げたイザークは、
怪訝な表情を浮かべて首を傾げた。

ぶつかった視線に胸を射抜かれそうになるのはいつもの事だ。


「何だ?何か言いたそうだな?」

こんな命令口調もいつもの事。
上からなこの物言いに苛立ちを覚えた事もあった。

すんなり受け入れられるようになったのはいつ頃からだったか・・・

そうだ・・・


あれは、6年前。


初めてジュール邸に招かれたあの日。








『CE53年12月。

 コーディネーターの存在を妬んだナチュラルの手にかかって、
 ジョージ・グレンは暗殺された。

 コーディネーターは万能な訳じゃない。
 思ったように能力値が上がらず、活かせず、
 挫折した奴らだって大勢いる。
 あくまでも素質ある遺伝子を調整されてるだけだ・・・!
 そんな事も考えずにただひがみ、妬み、攻撃する。
 ナチュラルの奴らには怒りを通り越して呆れるね。

 ・・・・知っているか?

 このところ低年齢者によるテロが多発している。

 この分だとそう遠くない未来に戦争になる。』


「イザーク…!」


思わず立ち上がり掛けた俺に片手を上げて制止すると、
ゆっくりとした足取りで窓を開け放った。


いつの間にか陽は傾き、空は暖かい色に染まっていた。


しばらく夕陽を眺めていたイザークが肩越しに振り返る。
オレンジ色を映して輝く銀の髪は、

王冠を戴く者に見えた。





『俺は・・・・

 プラントの盾になりたい。


 例え人工的に造り出された物だとしても、
 緑溢れるこの美しい故郷だ。

 この世界を、母上を、友を、・・・守りたい。
 
 いや、守ってみせる!

 お前も一緒に来い!

 ―――宇宙は俺独りでは広すぎるからな』




颯爽。



ふと、そんな単語が脳裏に浮かんだあの瞬間。




『・・・・カ!ディ・・カ!ディアッカ!!一体どうした?!』



「あ?!あ・・・あ、すまない。
 ちょっと考え事を、ね。



『お前、死ぬぞ!』


「そーだな、ホント、悪かったって」

『ディアッカ!・・・・・俺の許可なく死ぬのは許さん。』




機体に滑り込む凛とした後ろ姿に短く敬礼すると、
己の機体に乗り込むべく足を向けた。





「ディアッカ・エルスマン、バスター、発進する」






イザーク。




あの日 あの瞬間から 俺の運命はお前の物だ。



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